2011年09月25日

notice【佐藤す×多田】(タクヤ)

黒板に記されていく文字をすらすらと書き写す。

国語の授業。私が好きな時間。

将来の夢は、小説家。


そして。


私の隣ですやすやと眠る、貴女の……………。





「これほしー」
「めっちゃ可愛い!」
「でも高いー……」
「うーん……」


ペラペラとページをめくる。
お人形のような、女の子の憧れを写すそれは。
私たちの、数少ない共通点。


「すーちゃんみたいな顔に生まれたらなー」
「え?」
「お人形だもん。可愛すぎて羨ましい」
「えー、あいちゃんもアニメに出てきそうなくらい可愛いじゃーん」


お互いに言い合って、少し照れる。


「あたしが男ならすーちゃんと付き合うよ、絶対」
「えー?」
「こんな可愛い彼女いるんだぜ、って自慢したい」
「ちょっと……恥ずかしいし」


するとあいちゃんは私にギュッと抱きついてくる。


「すみれー、好きだー」
「あたしもー。あいちゃん大好きー」
「えへーっ」


可愛い声で甘えられる。
前の席にいるあーみんがラブラブ〜、と囃し立ててきたから、うるさいーって言い返す。


「すーちゃん、あたしと付き合ってー」
「コクられた!」
「すーちゃんにぎゅーってすると落ち着くのー」
「あたしもあいちゃんに甘えられるの落ち着くのー」
「じゃあ、いいでしょー?」
「いいよー」
「じゃあ、ちゅってしよ」
「んー?」
「ほっぺたに、ちゅって」
「やーだー」
「なんでー?」
「あたしにちゅってしてくれたら、いいよー」


するとスクッと顔を上げて、頬に押し付けられる唇。


「したよ?」


首を傾けて、せがまれる。
あんまりにも可愛くて、顔が赤くなる。


「すーみーれーもー、しろよー」
「あ、あいちゃん……」
「照れてるー、かわいー」


頭をなでなでされる。
あーみんがひゅーひゅー、と野次ってくるのが恥ずかしくて。
プルプル震えながらあいちゃんのマシュマロみたいなほっぺたに唇をピタッとくっつけた。


「……ありがと」
「は、離れよ……?」
「照れんなよー」
「あいちゃん……」
「可愛すぎて辛いし」
「もうっ……!」





こうして、私とあいちゃんの、不思議な関係は始まった。


親友?正解かもしれない。
恋人?正解かもしれない。
自分でもよくわからないまま、時は流れて。


「ひざまくらして」
「いいよー」


いつしかお泊まりもするようになった。
それくらいお互いがお互いを好きなんだろうけど。


「すーちゃん」
「なにー?」
「あたしたちって、どういう関係なの?」
「……さあ」
「あたしはすーちゃんが大好き」
「あたしもあいちゃん大好きだよ?」
「付き合ってるんだよ?」
「そ、だね」
「チューもするし、一緒に布団かぶって寝るし」
「うん」
「……本当のこと言って?」
「あいちゃん……?」
「気付いてるでしょ?……あたし、女の子が好きなの」
「……!」
「すーちゃん、ちゃんと答えて」


いつの間にか、あいちゃんは私の膝から起きて、真剣な顔をして私を見ている。


「あたしと、付き合える?」

自分の心に手を当てる。

そして。

言葉を交わすことなく、私はあいちゃんの唇を奪った。





「……すーちゃん」
「なに?」
「ありがと……」
「……こちらこそ」


まだまだ、若い、未熟な私たちが、少しだけ大人に、なれたかな。


posted by kkt48 at 23:00| Comment(0) | tt326128 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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